ストローク(線)の塗り:単一色 #555555ff
「フィル」のタブ内にある『RGBA:』の欄には、直接 RGB を16進数の値で入力することが可能である。活用方法としては、WEB色見本 原色大辞典や、Mariのいろえんぴつ等の色解説サイトから探してきた色名をコピペすることで、色合わせの手間を簡略化することができるが、その場合は末尾に必ずアルファチャンネルの値である「ff」などを付加しなければならない。
*例:赤色 #ff0000(RGB) → #ff0000ff(RGBA)
**今回の作成例では使用しなかったが、フィル(面)やストローク(線)をぼかしたり、透明度を変更する場合は、「フィル/ストローク」パレット下部にある「ぼかし」と「マスター不透明度」を指定する。
「フィル/ストローク」パレットにある「ストロークのスタイル」タブでは、ストローク(線)の幅、結合状態や端点の形状、線種と点線パターンの選択、矢印等を設定する事ができる。
新規レイヤーを作成。「face」と名付け、ベジェ曲線を用いて目の輪郭を描く。
猫らしい目になるよう、描いたオブジェクト(図形)を回転させる。画面左にあるメニューアイコンの上から1番目「オブジェクトを選択/移動/変形」を選択。
オブジェクト(図形)をクリックすると選択され、目玉の周囲を⇔マークが囲む。また、⇔マークをマウスでクリックし、上下左右へドラッグすると拡大/縮小を行う事ができる。
再度オブジェクト(図形)をクリックすると上下左右の角にある⇔が曲がり、オブジェクトを回転できるようになる。
目玉を選択した状態で、画面上にある「編集」メニューから「コピー」を選び、同じく「編集」メニューから「同じ場所へペースト」を選択する。
すると、完全に重なってしまって目視することはできないが、元画像と同じ場所に画像がペーストされる。
続けて、「オブジェクト」メニューから「水平に反転」を選ぶと、元画像に重なったまま反転するので、矢印キーまたはドラッグして右方向に水平移動させる。
猫の鼻と口元をベジェ曲線を用いて描く。ベジェ曲線はきれいな線を描く事ができて便利なのだが、やや単調な線になってしまう為、「ちょっとぶちゃいく」な猫の顔を描くには向いていない。そこで、猫の表情を決定付ける目玉とひげは、カリグラフィ線を用いてマウスで描くことにする。
画面左列の下から5番目にある「カリグラフィ線を描く」アイコンを選択。ツールバーの2段目に出現した設定項目を「幅:10、細くする:0、角度:0、固定度:0、Caps:0、震え:0」と指定して目玉等を描いた。失敗しても、Ctrl+z で戻るか、ツールバー1段目の「最後の操作を元へ戻す」アイコンをクリックして前の画面へ戻って描き直すことができる。
*カリグラフィ線の「幅」はピクセル指定ではなく、画面の倍率に反比例した幅の基準であり、画面の倍率100%の状態で描いた線と50%の状態で描いた線では太さが異なるので注意が必要。
**カリグラフィ線については未検証の部分が多いので、後日改めて解説したい。
ベジェ曲線のみで絵を描く際には、左右を少しだけ非対称にすると手描き風の味わいが出てくる。
コピペで複製したパーツも、傾きを少し変えたり、形を多少歪めると描き手の個性が表れる。
左図は、額が狭いやぶにらみの猫になるよう調整したサンプルの絵。うっすら汚らしい野良猫がなんとなく愛想笑いを浮かべているように見えないだろうか?
「text」と名付けた新規レイヤーを作成する。左列の下から4番目にある「テキストを作成/編集」アイコンを選択し、文字を入れたい部分をドラッグして指定する。
次に、ツールバー1段目にある「フォント、フォントサイズ、その他テキストのプロパティを表示/選択」アイコンを選択すると、「テキスト/フォント」パレットが表示されるので、「フォント」タブを選択して、フォントの種類、太字や斜体などのスタイル、サイズ、配置、行送りを設定し「Apply」ボタンを押した後、「テキスト」タブを選択して文章を入力、「Apply」ボタンを押せば指定したフォントで入力することができる。尚、今回は日本語に Osaka フォントを使用した。
*Inkscape 0.45.1 for Mac OS X (Universal) は日本語の縦書き入力に対応していない。どうしても縦書きをする場合は、一文字毎に改行する必要がある。また、カギ括弧なども反転しなければならない。さらに、ヒラギノフォントのように内部書類のフォント名が日本語表記されているフォントは指定できないことがある(←対応方法は法的に問題があったので非公開)。
文字色を変えるには、文字を選択した状態で、画面上の「オブジェクト」メニューより「フィル/ストローク」を選択し、フィル(面)の色を設定する。その際にストローク(線)の塗りとスタイルをも指定すると、縁取り文字になる。
また、文字を選択した状態で、画面下にあるカラーパレットにある色をクリックしても文字色が変わる。
縦長や横長等、不定形に文字を変形させる場合は、『13. オブジェクト(図形)の拡大縮小と回転』と同じ手順で文字の拡大縮小ができる。
文字を入力したら、画像と文字、背景色等のバランスを考慮しつつレイアウトを整える。
「ファイル」メニューの「保存...」を選択するか、ショートカットキーの Ctrl + s を押すと、「保存するファイルを選択」ウィンドウが出現する。
名前と保存する場所を指定した後、通常は「Inkscape SVG (*.svg)」を選択して保存。今回は「hotcat.svg」と命名して保存した。
JPG等のビットマップ画像として保存する場合は、画面上の「ファイル」メニューより「ビットマップにエクスポート...」を選択する。
「ビットマップにエクスポート」ウィンドウが表示されたら「ページ」タブを選択し、画面中央にある「ビットマップサイズ」の幅、高さを指定した後、保存場所を指定するため「参照...」ボタンを押す。
「参照...」ボタンを押すと「エクスポートするファイルを選択」ウィンドウが現れるので、『Name:』欄で画像名を「hotcat.jpg」として、保存場所をデスクトップに指定した後「Save」ボタンを押す。
Inkscape の「ビットマップにエクスポート」ウィンドウへ戻る。
何故か画像名に「.png」という拡張子が付いているので、JPG で保存する場合は「.png」を消してから「エクスポート」ボタンを押す。
保存状況を表す小さなプログレスウィンドウが表示されて、問題がなければデスクトップに JPG 画像が保存される。
できあがった Inkscape 画像。
う〜ん。プチ・ブチャイク!
蛇足だが、Yellow Dog Linux と Mac OS X の X11 という2種類のプラットフォームで Inkscape を操作した結果、Yellow Dog Linux の方が早く動いて操作が楽だった。
特に、300%以上に画面を拡大してコントロールハンドル(青線)を動かす作業が多い場合、Power Mac G4 733MHz に OS X と Incscape では荷が重すぎるようだ。